エロゲのアニメ的演出について考えてみた

エロゲ演出の可能性とアージュの演出能力の高さ。

立ち絵と背景を用いたADV・ノベルは、高い表現力を持った強力な形式だ。コスト的なことも考えると、この基本形式が完全に廃れるということはまだないだろう。しかし、ずっとこのまま、というわけにもいかなそうだ。minoriやage、Littlewitch、それにTYPE・MOONなど、動的な演出に力を入れるメーカーも増えてきており、今後もさらにこの傾向は強まって行くだろう。単純に背景に立ち絵をのせて、テキストを流すだけというだけでは古臭く見える時代が来るのは、そう先のことではないかもしれない。
エロゲの「演出」について考えるきっかけとなったのは、まず上に示した記事、それとアニメ『True Tears』を見たこと。『True Tears』のお芝居の細かさ、動きや表情のひとつひとつにまで演出意図が込められた濃密な表現には、本当に圧倒されてしまった。そして、エロゲにもこんな繊細な表現は可能だろうか? なんてことを考えさせられたわけだ。

(僕は、これまで従来の「ADV・ノベル」に満足してしまっていたので、いわゆる「演出に力を入れたゲーム」はあまりやったことがない。テキストや設定、それに絵に比べて、演出はあまり重視しておらず、ライター買い・設定買いはしても演出買いはしてこなかった。minoriのゲームはひとつも持っていないし、FFDで知られるLittlewitchについてもプレイしたことがない(『少女魔法学リトルウィッチロマネスク』は持っているのだけど、積んだままになっている)。また、『School Days』についてもアニメしか知らない。
我ながらエロゲ演出を語る資格があるとも思えないし、プレイしたことのないゲームを例に出すのはよろしいことではないとも思うのだが、つらつらと書き連ねて行きたい。たたき台として、考えるきっかけにでもしていただけたらと思う)

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HERMIT『世界でいちばんNGな恋』感想 ややネタバレ

恋人と別れ、会社からはリストラされ、となにをやっても上手くいかないダメなお人よし「芳村理」。スナックでやさしく励ましてくれた女性に恋をして、結婚を申し込むために教えられた住所に向かうも、すでに彼女は男と駆け落ちしていた。理は、母親に逃げられた少女、大家ちゃんこと「陽坂美都子」が管理人を務めるオンボロ長屋「テラスハウス陽の坂」に転がり込むことになる。不幸体質のダメ男と健気で頑張り屋さんな娘の、親子のような、恋人のような奇妙な共同生活が始まる。物語は、長屋の住民や隣人たちを巻き込んで、さらにややこしく、ほほえましく、そしてエロくなっていく。

(未プレイの方が見ても平気なように、むしろプレイを楽しむ助けになるように願いつつ書きました。しかし、全体の構成・構造に触れているため、気になる方もいるかと思います。近々にプレイする予定の方は読まないようににしてください)

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「エロゲにおける売上と評価の格差2007」を見て

■エロゲにおける売上と評価の格差2007 -混戦の一年を象徴する結果に-
エロゲーをしない一年だったと思っていたのですが、気が付いたら「2chエロゲネタ&業界板 ベストエロゲーランキング」の1〜5位は全てプレイ済みでした。というより、この1〜5位以外ほとんどやっていません。自分が選んだんじゃないかと思ってしまうほどのシンクロ率に驚愕。
逆に、売り上げランキングに入っているものでプレイ済みなのは『世界でいちばんNGな恋』一本きり。世間とのズレに、一抹の不安を感じます。
売り上げ1位の『リトバス』がベストエロゲーでランク外なのは、全年齢向けということで評価対象外なのでしょう。

2007年の10大エロゲニュース

2007年の10大エロゲニュース犀の目工房

いつのまにか期限が迫っていたので取り急ぎ。
ニュースとともに2007年を振り返ってみました。ええと、10個ありますよね?
時間の都合から情報元へのリンクなどができておりませんが、ご容赦ください。

・2006年12月〜 ヒット作のコンシューマ版がそろって延期。2007年にもつれ込む。
 2006年12月発売予定だった『ひぐらしのなく頃に祭』『Fate/stay night [Realta Nua]』がそろって延期。『ひぐ祭』は2月に、『Realta Nua』は4月にそれぞれ発売された。
・1月 Windows Vista発売に伴う混乱
 セーブデータ関連で不具合が出るソフトが多発。ただ、Vistaの普及があまり進まなかったこともあり、影響は限定的なものにとどまった。
・2月 エロゲメーカー連続倒産
 Carriere(有限会社キャリエール)、Tarte、ぷらす+てぃっく、Raccoon (株式会社ディール)、あんく、ぷちあんく、タリスマン(有限会社オー・パーツ)の3社7ブランドが消滅。
・4月 有限会社ピークス倒産
 WEBサイト「アキバ系.com」、業界紙PC NEWS」などを運営していた有限会社ピークスが倒産。「PC NEWS」の発行停止により、アダルトゲーム専門の業界紙が消滅。
・7月 麻枝准シナリオライター引退
 7月発売の『リトルバスターズ!』が、シナリオライターとしての引退作となることが発表された。(「月刊コンプティーク」2月号)
・8月 「ヤンデレ大全」発売
 ツンデレに次ぐターム、ジャーゴンとしてヤンデレが定着。同人ゲーム、深夜アニメなどにも波及して、ヤンデレキャラが2007年を席巻することに。
・9月 Teatimeの3Dエロゲ『らぶデス2』が話題に
 完成度の低さ、必要スペックの高さ、3DCGの美しさ、と毀誉褒貶両面で話題に。3Dエロゲはこれまでも一定の人気を持っていたが、一般層まで巻き込んで話題になったのは初めてだったのではないだろうか。
・9月 いわゆるひとつのNice boat. 
 アニメ版「School Days」の最終話(第12話)が、急遽放送中止に。
・11月 著名シナリオライターの作品が11月22日に集中発売
 『世界で一番NGな恋』『キラ☆キラ』『そして明日の世界より−』『赫炎のインガノック』など、主にシナリオ面で期待を集めた作品が同時に発売された。
・12月 『僕らのいきなり同棲計画』が発売中止→髪の色を変えて再スタート
 エヴァのパクリエロゲー『僕らのいきなり同棲計画』が、当日になって発売中止を発表。その後、髪の色を変えたバージョンが1月18日に発売されることに。
 ルリルリ@ナデシコなど多数のパチキャラが登場した13cmの『発情カルテ 〜緋色の凌辱肉玩具〜』が、一般発売中止・通販オンリーになったというのを思い出した。
 エヴァ関係では、1997年に森川嘉一郎企画編集のエヴァ評論本(いわゆる謎本)『エヴァンゲリオン・スタイル』が著作権法違反で警告を受けるという事件もあった。訴訟にはいたらなかったみたいですが。

まとめ:話題性という面では「Nice boat.」がぶっちぎりですね。でも、今後への影響などから見ると、ひとつの時代の終焉ともいえる「麻枝准シナリオライター引退」のほうが大きそう。個人的に「『CLANNAD』でやりつくした」というのはなんとなく分かる。『CLANNAD』で初めて麻枝氏の言いたいことが理解できたような気がしたから。なんというか『ONE』『KANON』『AIR』までは、「なんだかさっぱり意味がわからんけとスゴいなにか」だったのが、ようやく解読できる言葉で書かれたという印象。あと、今はキワモノ扱いだけど、「3Dエロゲ」の躍進もありうるのかも。

OVERDRIVE『キラ☆キラ』 感想 ネタバレ!

感想というよりは、きらりEDについての覚え書きです。自分の中では一定の結論に達しているのですが、大変読みにくく理解しにくいかと思います。あと、ネタバレ全開です。

■ストーリー
受験勉強にも身が入らず、アルバイトに明け暮れ無感動に毎日を過ごす「前島鹿之助」は、無敵の貧乏少女「椎野きらり」と出合ったことから、パンクバンドを組むことになる。それも、女装してガールズバンドを。
家庭の不和を抱える幼馴染「石動千絵」、病弱なご令嬢「樫原紗理奈」らと組んだバンドは、文化祭で大成功をおさめる。そして、インディーズの雄「STAR GENERATION」に認められたことからライブハウスに出演、さらにはオンボロワゴンに楽器を積み込み全国ライブ行脚に出ることになる。ロックの夏が始まる、そして夏が終わったとき……。

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OVERDRIVE『キラ☆キラ』 感想(になるはずだったもの)

まず、微妙なタイトルが示すように、「感想」を書くことができなかったことをお詫び申し上げます。『キラ☆キラ』の感想・批評・レビュー・紹介、その他それに類するものを求めていらっしゃった方へ、帰れ。

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「エロゲでどこまで許せますか?バトン」に答えてみる

エロゲでどこまで許せますか?バトン
ちょっと暇になってきたので、リハビリをかねてやってみます。人生は作業療法
言うまでもないことですが、「バトン」といっても、回ってきたわけではありません。勝手にやってるだけでございます。

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へたれ主人公 ○
とりあえず『君のぞ』の鳴海孝之先生は嫌いではない。『スクイズ』の伊藤誠先生は、むしろ好き(アニメしか見てないけど)。でも、彼はどう考えても「へたれ」とは別の種類の生物ですね。
発売延期 ○
キガバッチ △
それで解決するなら…。
曲芸商法 ○
完全版商法 ○
逆移植商法 ○
過去作品が再販されるのは、むしろ良いことじゃないかと。
奈々子商法 ○
尽くしてあげない(ヒロイン非攻略) ○
ディスクレス不可 △
エロゲーのパッケージは開けにくいものが多いので、ディスクの出し入れはかなり面倒。
バグ☆まっしぐら! ×
インストール不可(または困難) ×
恋姫†無双 〜ドキッ☆乙女だらけの三国志演義〜 ○
はんこ絵 △
シーン回想無し △
アクティベーション・ネット認証必須 △
各種プロテクト △
必要なのはわかるけど、誤爆の経験もあるので。
ダウンロード販売 ○
DVD-PG ×
伝奇/神話/オカルト ◎
オカルトがあれば、たいていのことは許します。
NTR ×
寝取り ○
三角関係 ◎
人間関係はもつれてこそ深まるのもの。…でも寝取られるのは嫌。人間とは欲深い生き物ですね。
孕ませ ○
獣姦 ×
死姦・スナッフ ×
百合 ○
薔薇 ○
男装 ○
おちんちんランド(ショタ) ○
実はヒロインが男 ◎
愛があれば性別なんて! …いや、べつに愛がなくてもいいや。
非処女 ○
売春 ○
妊娠(ボテ腹) ○
近親相姦(実妹、実姉) ○
池沼・アホの子 ○
人体改造 ○
人妻 or ババア ○
巨乳 ○
外人 ○
ツンデレ ○
キモウトヤンデレ ○
サド ○
ゴスロリ ○
人外 ○
ボクっ娘 ○
いいんちょ ○
緑髪 ○
メガネ ○
ひぎぃ!(たっちーな猟奇展開) ○
鬱展開(喪失鬱、電波鬱も含む) ○
ご都合主義 ×
いまいち例が思い浮かばないけれど、それまで積み重ねてきた設定やキャラクターの心情を無視するような展開はNG。
超展開 ○
でも、勢いさえあればそれはそれでOK。
アヘ顔 ○
ワキ毛・ワキ臭 ○
陰毛 ○
ハーレム ○
親子丼 ○
姉妹丼 ○
SM ○
アナル ○
おしっこ △
スカトロ △
ぶっかけ △
陵辱・輪姦・乱交 △
輪姦・乱交はちょと苦手。陵辱はふつーに好きです。
卑語 ○
触手 △
搾乳 △
パロディ過剰 ○