僕がニュースサイトを辞めた理由

なんだか立派なニュースサイトをやっていたことがあるかのようなタイトルですが、そういうわけではありません。「ニュースサイトをやろうと思って挫折した理由」ぐらいが適切かもしれません。
このブログを始めて約3ヶ月が経ちました。その間いろいろあった…というほどのことはなかったな。それでも、サイト運営についていろいろと考えさせられることもありました。今日はそのうちひとつ――「個人ニュースサイトを運営すること」について書いてみたいと思います。


当ブログは、現在のところエロゲ・ラノベの感想をメインにしていますが、開始当初は、孫ニュースサイトのようなものを目指していました。11月のエントリを見ると、その痕跡として「ニュース」なるタイトルがチラホラと見られます。
このあたりが、一番ニュースサイトしてるだろうか。

■なぜニュースサイトをやろうと思ったか
これは、やはり個人ニュースサイトが好きだったからです。
ブログを始める以前から、ほぼ毎日のようにニュースサイトを巡回し、気に入った記事についてはテキストファイルにURLとタイトルをコピーして残していました。そこで、このテキストを整形して、コメントをつければ、ほぼ労力ゼロで孫ニュースサイトができあがるのでは?なんてことを考えたのがきっかけでした。
趣味のニュースサイト巡回を、なんとか有効利用したい。
孫ニュースサイトを運営することで、普段の巡回にもより力が入り、また、紹介する記事にコメントを書くことで、より深くオタク界隈の時事問題・ネタを知ることができる。そんなことを考えていたわけです。
そのとき興味をもっていたこととそれに対する感想、自分の頭の中身を公開&保存しておきたいと思った、と言ってもいいかもしれません。まあ、だからと言ってアクセスがいらなかったわけでもなく、それなりに欲はもっていました。

当時、巡回していた(現在もほぼ毎日見てます)サイトの一部
カトゆー家断絶
かーずSP
楽画喜堂
独り言以外の何か
Tentative Name.
RinRin王国
アキバBlog
同人ど〜らく
サニーガール

■それでも挫折した理由
読者のためというよりは自分のために始めたことなので、無理はするまいと決めていました。記事の数、網羅性などは気にせずに、仕事や他の趣味に支障がでない範囲でやっていこう。もともとネット上のニュースを収集するのは趣味だったんだから、省エネですむはず!という取らぬ狸の皮算用。…甘すぎた。
実際、ちゃんとしたニュースサイトからすると(おそらく)比較にならないぐらい短時間で更新をしていたと思います。一日おおよそ30分〜2時間。平均すると、約1時間といったところでしょう。ほぼ予定通りだったわけですが…当然、それではまともなニュースサイトにはなりません。カタチだけまねる、というのすら無理。RSSSBMオートアンカーなど効率的な更新を助けるためのツール・環境を整えればまた違うのでしょうが、ごく普通にサイトを巡回していては、とうてい時間が足りない。また、熱意やら才能やらいろいろ足りなかったのでしょう。
「ニュース」なんてカテゴリで投稿しているのに、リンクは2〜3個、それも自分で発掘したといえる記事は皆無。気の利いたコメントも書けない。更新するごとに不満が募る…。アクセスアップとか言ってる余裕もない。
そして、そうこうしているうちに、その1日1時間程度すら負担になってきてしまう。ゲームをする時間や本を読む時間、そして睡眠時間にも影響が出始め、そして悟る。「ああ、これはダメだな」と。「軽い気持ちじゃ無理っす」ということが分かっただけでも収穫はあったのかもしれん。

■一応でもやってみてわかったこと
リンク+1行コメントという個人ニュースサイトの形式は、だてに隆盛を極めてるわけではない、ということ。正直、この形式を使いこなすことはできませんでしたが、その便利さは感じられました。ブログの1エントリとして長文を書くには時間が足りない、知識が足りない、でも気になる! そんなとき、当事者からは一歩引いた「ニュースサイト」という立場からなら、そして「コメント」という形式でなら自然に伝えることができる。これは大きな利点だと思います。
また、「これはちょっとどうかな?」という、意見が合わない記事についても、コメントという軽さを持った形式ならば、比較的穏便に意見を述べることができます。
有名どころのニュースサイトを見ていくと、その紹介のしかたにもいろいろとあることが分かると思います。純粋な意味でのオススメから、「こんな意見もありますよー」的なニュートラルな紹介、さらにはDisに近い否定的な紹介まで発見できるはず。サイトによって方針は異なるでしょうが、「いい記事」ではなく「興味深い記事」を紹介しているわけです。これを、通常のブログでやると、けっこう物騒な感じになってしまうでしょう。

■現在のニュースサイトについて思うこと
従来のメディアと比べても、より柔軟に、さまざまなやり方で記事を紹介できる。これは個人ニュースサイトの利点です。純粋なリコメンドだけでなく、ときには否定的な取り上げ方もできる。また、裏の取れていない不確定な情報でも紹介してしまうことができる。
この自由さが、現在のニュースサイトのおもちゃ箱的な楽しさにつながっているのだと思います。ただ、それだけに明らかな誤謬・誤解を含んだ記事が紹介されることも多くなっているように思われます。日々、多数のニュースを見る必要があるため、精読が不可能という事情もあるのでしょう。アクセス数の多いニュースサイトからリンクされることで、騒動が大きくなる例も散見されます。
先に述べたような利点の裏側として起こっていることなだけに、「紹介の基準を厳しくするべき」「よく知らない分野については紹介すべきではない」なんてふうには思いません。既存のメディアに近づくだけだし、そうなると企業サイトにはまず敵わないだろうから。また、多くのニュースサイターさんは、こういった紹介することのプラス面もマイナス面も承知のうえで運営されていることだとも思います。それでも、間違った情報や、みんなが不幸になるような紹介は減るとうれしいなーと、ニュースサイト挫折者としては望んでおります。
そうそう、当ブログの記事については、Disでもなんでも紹介していただければ喜びます。