西野かつみ『かのこん』1巻 MF文庫J

かのこん (MF文庫J)

かのこん (MF文庫J)

「ゆやよん、ゆやよん」。田舎から転校してきた耕太は、いきなり上級生からの呼び出しを受ける。放課後の音楽室で待っていたのは、美しい黒髪と「ゆやよん」な胸部を持つ美少女・源ちずるだった。ちずるは、初対面のはずの耕太に猛然とアタックを始め、耳を生やし、しっぽを生やし、そして全裸になる!? おっとりした少年と狐っ娘のエロチックラブコメ

マタタビを嗅いだ猫のように(いや、狐だけど)、耕太に迫りまくるちずるに圧倒される。どういう経緯で好きになったのかは、ほとんど説明されないのだけど、そこはほとんど気にならない。それだけの勢いがある作品だった。
エロチックさが売りの作品ではあるけれど、「エロすぎない」ところが秀逸。作品全体を流れる空気はじつに平和で、間違ってもドロドロの三角関係に陥ったりはしそうにない。一昔まえの「週刊少年ジャンプ」お色気マンガのようなムードを持っているといってもいいかも知れない。