Amazon&マケプレの怪

ここ数日、Amazonを見ていて気になることがあったので、調べながら書いてみたい。Amazonマーケットプレイスのシステムについて熟知しているとは言いがたいので、明らかな誤りがあれば指摘してほしい。

在庫切れでもベストセラー?

あれはたしか27日の夜、品切れが続いていた『月刊ウンディーネ6 水無灯里特集号』の在庫が復活していることに気がついた(5巻の在庫も復活していたと思う…こちらもランキングの47位に入ってるから間違いなさそう)。セブンアンドワイなど、他のネットショップでは品切れ・販売中止扱いになっており、増刷がかかったというわけではない模様。おそらく、少し前に話題になっていた「Amazon倉庫化」が摘発されたことで、死蔵されていた在庫が吐き出されたのだろう。
そして今日(5月29日)、『月刊ウンディーネ6 水無灯里特集号』は、Amazonベストセラーランキングで5位に入った。一時的に在庫が復活しただけでも驚きだが、ランキングに入ってしまうほどの弾数があっキープされていたとなると恐ろしいことだ。いくらなんでも転売しすぎ。
現在は、また品切れに戻り、マーケットプレイスにはプレミア価格の商品が並んでいる。ただ、在庫が増えたせいか、ちょっと安くなったみたいだ。

不思議なベストセラーはまだまだある

ベストセラーランキングを見ていると、ほかにも奇妙な物件が見つかった。

『おおきく振りかぶってFANBOOK』(確認した時点で23位)
『アオイシロビジュアル・ガイドブック』(同45位)

どちらも発売されたばかりの本だが、なかなか好評のようでAmazonでは品切れ中。そして、マーケットプレイスを見ると、プレミア価格で出品されている。恐ろしいほどのすばやさだ。なにごとにもスピードが求められる現代社会、品切れ即プレミアぐらいの精神は必要なんだろう。
でも、ちょっと引っかかるのは…

  • どちらも、他のネットショップには在庫がある
  • Amazonでは、品切れ中の商品の価格が表示されないため、プレミア価格が付けられていることが分かりにくい

ネットショップの在庫状況はあてにならないので、Amazon以外なら定価で購入できるという保証はない。そう考えると、マケプレで購入する意義もありそうだが……マーケットプレイスの出品者が在庫を確保しており迅速に発送してくれるという保証もまたない。手元にない商品を出品し、注文が入ってから探す「空出品」が横行しているからだ。マケプレで「出品者の評価」のページを見ていると、マケプレで注文したのにBK1から届いた、なんて事例もあったりする。

Fate/Zero Vol.4』価格: ¥ 5,000 (税込)

Amazonマーケットプレイスの関係に興味を持ったきっかけは、Amazonの『Fate/Zero』のページを見たこと。このページは、なんというかちょっと不思議なことになっている。『Fate/Zero』の感想でも触れたけどあえて繰り返す。
Amazonで『Fate/Zero』を買おうとすると「価格: ¥ 5,000 (税込)」という衝撃的な表示が飛び込んでくる。最初に見たときは「Amazon自らプレミア価格で販売してるのか!?」と驚愕した。しかし、よく見ると、『Fate/Zero』は、AmazonでもニトロプラスでもTYPE-MOONでもない別の会社(or個人)が販売・発送をおこなっているようだ。『Fate/Zero』の公式サイトにある「取り扱い店舗情報」では、「とらのあな様」「アニメイト様」などと並んで「Amazon.co.jp様」とあるのだが…どういうことなのだろうか?
マーケットプレイス扱いではなく「在庫あり。」になっていることから「Amazon e託販売サービス」というものが利用されているようだが、僕の知識では詳細はよく分からなかった。
引っかかる所を挙げてみると…

  • Amazonが販売・発送を行う通常の商品とほぼ同じ体裁で、区別がつきにくい
  • 定価の表示がない+通常と同じ位置・体裁で価格が表示されるため、プレミアが付けられていることに気が付きにくい。というか、これでは定価が5000円であるように見えてしまう
  • 公式で取り扱い店舗に指定されているため、信用してしまいやすい

Fate/Zero』は、ニトロプラスダイレクトにある公式通販ページからならば、定価で買うことができる。全巻を一気に買っても5000円だ。また「とらのあな」などの通信販売でも、定価販売が行われている。ただ、同人ショップの在庫は流動的で、いつでも全巻が購入できるというわけではないようだ。

便利だけど自衛も必要

Amazonマーケットプレイスはとても便利だ。なにしろ、他の古書店と比べると品数が半端なく違う。絶版になった古いラノベSF小説なども、検索にかけるとサクっと出てくる。全国各地の古書店があつまって運営している「スーパー源氏」に比べても、目当ての本が見つかる可能性が高い。おかげで、絶版・品切れの商品を手に入れる苦労はかなーり減った。
しかし、Amazonだけ、マケプレだけで本の価格・レア度を判断するのは危険。定価以上の値段がついている場合は、実在店舗や出版社、それに他のネットショップも見て考えたほうがいいだろう。必ずしも、Amazonで品切れしてるから手に入りにくいというわけではないし、Amazonの値段設定が適切であるという保障もない。