片山憲太郎『紅』スーパーダッシュ文庫

紅 (紅シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

紅 (紅シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

高校に通いながら「揉め事処理屋」を営む紅真九郎のもとに、ひとつの依頼が舞い込む。日本を支配する名家・九鳳院家のご令嬢、九鳳院紫の警護――かけだしの揉め事処理屋にはあまりに重大な仕事だった。師匠とも言うべき柔沢紅香と、当の九鳳院紫に乗せられるような形でボディガードを引き受けた真九郎は、九鳳院家をめぐる陰謀に、そして年齢の差を越えた愛に引きずりこまれていく。

西尾維新の「戯言シリーズ」に強く影響された、奇人変人盛りだくさんのバトルものだと言えるでしょう。でも、ただひとつ違っていたのは、奥様は魔女…じゃない7歳だったのです。
つい眠りこけてしまったり、みえみえの虚勢をはったりと子供らしい幼さを残しながら、同時に「女」としての情の濃さ、凄みを備えたヒロイン・九鳳院紫こそこの作品のコア。強気系幼女キャラのすばらしさを嫌というほど味あわせてくれます。