渡瀬草一郎『輪環の魔導師』電撃文庫

輪環の魔導師―闇語りのアルカイン (電撃文庫)

輪環の魔導師―闇語りのアルカイン (電撃文庫)

魔法の力を宿した“魔道具”が発達した世界、その片隅にあるミストハウンドの街。平和な田舎町に、伝説の魔族を名乗る魔導師たちが魔の手を伸ばし、薬師見習いのセロは、姉弟のように育った貴族の娘フィノとともに、魔を巡る争いに巻き込まれていく。“還流の輪環”とはなんなのか、そして、セロとフィノの身分違いの恋は実るのか?


また幼馴染ですか! 渡瀬草一郎の幼馴染なんてもう…大好物なのでこれからも出し続けてください。
渡瀬草一郎作品というと、幼馴染少女と、綿密な世界設定。このうち幼馴染については、上に述べたとおり鉄板です。そして、世界設定についても、渡瀬ファンなら興奮間違いナシの気合のいり様。
レティスマにクティカ、アラクナ、そしてルールーブ。この世界の神話に登場する神々は『パラサイトムーン』シリーズに登場する迷宮神群と同じ名前を持っているのです。二つの作品世界がどのような関係にあるのかは謎ですが、長年『パラサイトムーン』の続刊を待ちわびてきた僕には嬉しさ無限大な設定でした。
「ハルムバック・サンエルフール・レダフリオ」などの覚えにくい変なネーミングも実に渡瀬草一郎らしくてよし。続きが待ち遠しい…とか思ってたら、すでに2巻が出ていたのでこれから読みます。