竹宮ゆゆこ『とらドラ5!』電撃文庫

とらドラ! (5) (電撃文庫 た 20-8)

とらドラ! (5) (電撃文庫 た 20-8)

夏が終われば、次は文化祭の季節だ! 例年は盛り上がらない文化祭だが、今年は一味違う。会長の秘策によりクラス対抗の人気投票、そしてミス&ミスターコンテストの開催が決定。その豪華な賞品につられて、文化祭への期待はどんどん高まっていく。もちろん、大河たち2-C組のメンツも例外ではない。そんなところに大河の父が現れ、今まで放置してきた娘と一緒に暮らしたいと言い始める。


文化祭に向けて盛り上がっていくクラスの模様と、シリアスな大河父娘のドラマが交互に描かれる構成。ムードが重くなりすぎると、すかさずハイテンションな文化祭狂想曲が入り、読んでいて暗くはならない。ただ、それでも他の巻に比べるとシリアスでギャグは少なめか。
文化祭編ということで、2-Cというクラス全体にスポットが当てられており、ついに三十路に突入した担任恋ヶ窪ゆり、実行委員としてアホっぷりを発揮する春田など、サブキャラも活躍している。その分、インコ成分が少なめだった気がするけど…まあいいか。
ブコメ、ギャグとしてみるとおとなしめ、地味目だったが、学園青春モノとしてはこれまで以上。最後の走って踊って全て解決!みたいな強引なまとめ方も疾走感があり、これぞ青春という魅力があった。