瀬尾つかさ『クジラのソラ 01』電撃文庫
- 作者: 瀬尾つかさ,菊池政治
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 文庫
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桟敷原雫は、3年前に優勝者しゼイとともに消えた兄を追うために、《ゲーム》への執念を燃やす。そして、雫と同い年――15歳にして、すでに伝説的なメカニックである門倉聖一を仲間に引き入れようとする。
おもしろい!と手放しで賞賛したくなるSFラノベの良作。
この世界の《ゲーム》は、決められたポイントを使って艦隊を造り、恒星系を奪い合うというもの。今で言うと、リアルタイムシミュレーションの『STARCRAFT』みたいなものだろうか。
ワールドグランプリの優勝者は異星人の船に乗って地球を離れるということだけど、これは逆からみると「ゼイに連れ去られる」ということ。主人公格の2人、桟敷原雫と門倉聖一も家族を《ゲーム》に奪われている。このシリアスでいかにも裏がありそうな重い設定が、ゲームバトルをさらに盛り立ててる。優勝してめでたしめでたしというわけにはいかなそう。
キャラクターも、クセがないというか、嫌味がないというか…あまり褒めてるように見えないかもしれないけど、このストーリーにはこういうキャラだよなという感じ。派手さはないけど好印象というのは、この作品全体についてもいえるかも。