竹宮ゆゆこ『とらドラ7!』電撃文庫

とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

生徒会長選挙から2週間、街にはイルミネーションが飾られクリスマスシーズンがやってきた。大河は、クリスマスになにか深い思い入れがあるらしく「クリスマスまではいいこにしてる」と言い暴力&暴言を自主規制しはじめる。一方、みのりんも何か思い悩んでいるようで、なんだか様子が変。はたして竜児たちは、幸せなクリスマスを迎えることができるのか?


な、ななななななんじゃこりゃああ!
…というのがまず最初に抱いた感想。大河もみのりんも、さらには北村までがいつもとはノリが違う。とくにみのりんは重症。竜児に対してよそよそしく、ギャグを飛ばしてもどこか陰があり、やけっぱちのようにしか見えない。もはや、普段どおりなのは亜美ぐらい。
失恋大明神を名乗り、妙な活動をはじめる北村。妙にどす黒い怨念を感じる独身ネタ。あふれんばかりに挿入されるパロディ(北方健三の人生相談とか、「うる星やつら」の牛鬼とか…難易度高すぎだよ!)。
どこか暗さをはらみながらもテンポよくスラップスティックに進む前半が終わると、打って変わってメランコリックでシリアスなムードに急転落下。みのりんも、大河も、竜児も、自分の心を見つめなおすことになる。本当に好きなのは誰なのか?
大河とみのりんが本調子でないのが残念でしたが、恋愛面では大きく進展。激動と言ってもいいかもしれない。
…彼ら彼女らがそういう関係で、そういうキャラクターである以上、避けられない展開だったのかもしれないけれど、もう少し幸せな時間を楽しんでいたかった。今後の展開が心配です。