田中ロミオ『人類は衰退しました 3』ガガガ文庫

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

旧人類の記録を収集し後世に遺さんとする一大プロジェクト「ヒト・モニュメント計画」が発動する。この壮大な公共事業のために優先的に電力が回され、クスノキ村では“夏の電気まつり”が同時開催。「わたし」はヒトのデータを集めるために、都市遺跡へと向かい…。


前巻までは連作短編形式でしたが、今回は一冊まるごとでひとつのお話になっています。その結果、これまで以上にハードコアな内容になってしまった感もあり。
わたしと助手さんで遺跡を探検することになり、重要なところは「おじいさん」に任せて安全なところで遊んでいるはずが、いつのまにやら命からがらサバイバル。この助手さんは、ほとんどしゃべらなかったりとなかなか非人間的なキャラクター。新キャラのP子さんとO太郎くんも、会話に困難がつきまとうタイプの人格をおもちでいらっしゃり、とある事情から妖精さん分も低めなので…はっきり言ってかなり地味かもしれない。
科学全盛期のヒトの遺跡を探検するお話なので、設定的な部分ではいろいろと新事実が明らかに。人類が衰退した原因や妖精さんの正体についてもちょっぴりヒントが。妖精さんについては、まだまだ全然謎だけど。
ラストは、もう褒めるしかないぐらいにすばらしくアホらしいまとめ方で、個人的には大好き。某キャラクターの名前の由来が分かったときには興奮しました。まさかコレがくるとは、にゃ〜…。