秀吉の水着って…… 『バカとテストと召喚獣3.5』

バカとテストと召喚獣3.5 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣3.5 (ファミ通文庫)

井上堅二バカとテストと召喚獣3.5』電撃文庫
1年生の頃の明久たちを垣間見ることができる「バカとテストと召喚獣 〜予習編〜」。ラブレターっぽいものを受け取った明久の受難「僕と暴徒とラブレター」。雄二の視点から翔子とのプレウェディングデートを描いた「俺と翔子と如月ハイランド」。そして……プールを舞台に繰り広げられる阿鼻叫喚「僕とプールと水着の楽園」。喫茶店でバイトをすることになった明久たち「僕とバイトと危険な週末」。以上5本を収録した『バカテス』初の短編集。


あらすじにも書いたように、水着回があるわけですよ。大変由々しき問題です。困ります。なにしろ、水着回でありプール回である以上、あの秀吉もまた水着姿を晒すことになるわけです。あの秀吉の水着ですよ? 上はどうなってると思いますか? 僕はどうすればいいんでしょうか? 海は死にますか? プールはどうですか?
混乱しながら読み進めていくと……。うん、ここから先は伏せておきますね! いろんな意味で期待に応えてくれる内容だったとだけ言っておきましょう!
狂乱の水着回「僕とプールと水着の楽園」を読み終わり、秀吉ショックに呆然としながらページをめくると、次は「僕とバイトと危険な週末」……表紙絵はウェイトレス姿の秀吉! しかもちょっとアンミラ入っててエロいの! 畳み掛けるような攻勢に、頭がフットーしかけました。
バカ一直線で押し通す作品なので、短距離走は大得意。本編以上に楽しめる短編集でした。
各短編の間には、今回はテストではなく、鉄人による人生相談などのちょっとした小話が入っており、これがまたいちいちツボにはいるから困る。

………これ以下は、読まないことを推奨いたします。

「そうだな。確かにお前の言うとおり、こんな行動は俺にとってなんのメリットもない。いや、それ以前に俺は、彼女が欲しいなんていう気持ち事態が全くない」
「だったら、どうして……?」
「そういう問題じゃないんだよ、明久。俺はただ、純粋に……」
 迷いのない目で悪友が言葉を紡ぐ。
「お前の幸せがムカつくんだよ」
――『バカとテストと召喚獣3.5』pp.82-83

ラブレターらしき手紙を貰った明久の恋路を邪魔しようとする雄二。……このとき、雄二が何を考えていたのかを想像すると、いろいろ楽しくなってきますよね?

  • 言葉の通り明久だけが幸せになるのが許せなかった
  • 瑞希や美波の気持ちを考えて明久の邪魔をすることにした
  • 他の女に明久を取られたくなかった

個人的には……全部だと思います!
表面的には悪友の足を引っ張っているように見せかけつつ、心の奥では瑞希や美波を応援し、さらに深い深層心理では「明久を幸せにするのは俺だ!」とか思っているわけですよ!

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