値段なり? 『紅 公式ファンブック』

紅 公式ファンブック (スーパーダッシュ文庫)

紅 公式ファンブック (スーパーダッシュ文庫)

・『紅 公式ファンブック』スーパーダッシュ文庫
とくに「アニメのファンブック」というわけではなく、マンガ版や本家ライトノベルなども含んだファンブックという位置づけみたい。でも、基本的にはアニメを観た人向けに作られている模様。
原作とアニメでは、だいぶ雰囲気が違う作品なので、ひとまとめに紹介することに無理を感じる部分も多かった。弥生さんとか、紅香とか、かなり別人度が高いし。

書き下ろし小説「祭の後」

ええと、まずは書き下ろし小説「祭の後」について。
これはアレですね、エロゲーのスタッフロールが終わった後に出てくる後日談。なくてもいいけど、あるとちょっとうれしいとかそんな感じ。
……以上です。

ファンブックとしては…

キャラクター紹介や世界観の解説などが中心になっているのだけど、片山憲太郎本人が書いているわけでもないので、原作既読者にとっては新奇な要素はなし。けっこうあっさり目。
アニメのファンブック/ガイドブックとしても、あまり突っ込んだものにはなってません。まあ、放送終了前に刊行されたものなので、仕方がないのかも。いちおう背景美術や絵コンテなども載っているのですが、点数が少ない上に文庫なので小さい。とくに絵コンテの扱いは残念。1ページしかない上に、絵の部分だけ切り抜いての掲載。
それでも、アニメ関係者のインタヴューなどは相当面白かった。声優インタヴューで、ミュージカル回についての話が読めたのは収穫。そして、目玉は松尾監督のインタヴュー。アニメと原作の違いについて語ってます。原作との設定の差や、性格が大きく変わった弥生についても少し。

正直なところ、当初はアニメ化することには賛成していませんでした。原作で描かれている心の痛さというのは、アニメではなかなか表現できないものなんです。
『紅 公式ファンブック』 p.101

こういう言い方は賛否両論だろうけど、個人的にはもう、あれだけのものを見せられては納得するしかない。
あと、ちょっと面白かったのはOP&EDの話。アニメ本編とぜんぜん違うポップな絵柄で、気になってたんですが、コスチュームデザインの人が描いてたんですね。
ページ数も少なく、内容も充実してるとはいいがたいけど、それなりに読むべきところはあったので、個人的には満足かも。文庫サイズで500円弱という枠の中ではがんばったほうなのではないかと。