猛烈な展開に圧倒される『ハルカ 炎天の邪馬台国』

ハルカ 炎天の邪馬台国

ハルカ 炎天の邪馬台国

桝田省治『ハルカ 炎天の邪馬台国エンターブレイン
『ハルカ 天空の邪馬台国』の事件で平和になったはずの古代日本に、再び暗雲がたちこめる。現代の日本で再会した張政とハルカは、またも争いの中心へと飛び込んでいくことになる。現代から古代へ、そしてまた現代へとアクセル全開で突っ走るノンストップ冒険ファンタジー

うーん、激しい。『天空』もかなりスピーディだったけど、今回はもう暴走気味といってもいいぐらいに展開が早く、何度か置いてきぼりになりそうになった。強引な展開が目立つし、読み直しても意味が分からないシーンもチラホラ。
あと、後書きに出てきたハルカの出生の秘密もよくわからなかった。うーん、気になる。
それでも、最初から最後まで「意外な展開」の連発で押し通す豪腕と、カラッと底抜けに明るいキャラクターたちは魅力的。全体を貫く枡田節みたいなのが肌に合えば、読む価値はあるかと。
前半は古代の日本で、後半は主に現代の日本で神との戦いが繰り広げられる。『天空』で出てきたキャラも次々と登場し、伏線もすごい勢いで回収されていく。『天空』はちょっとすっきりしない終わり方だったし、やはり2冊合わせてひとつの作品なのだろう。

感想リンク(reclips)