空戦とラブロマンス『とある飛空士への追憶』

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

犬村小六とある飛空士への追憶ガガガ文庫

ええ、いまさらです。各サイト・ブログのランキングなどを見ていたらたまらなく読みたくなり、手にとってみた。なんとなく「食わず嫌い」的な感情があったんですよね。
ほぼシャルルとファナの2人しか出てこないお話で筋書きも単純なのだけど、「小粒」というよりは「珠玉」という感じ。余計な部分を削り落として、丹念に磨き上げた銀細工のような一作だった。2人の感情の動きや作品世界の身分制度、それに飛行機と空中戦が、読みやすくわかりやすく丹念に書き込まれている。
ラノベには異常な描写や過剰な刺激感を売りにしたものが多い。で、まあ、僕はそういったヤツラが大好きなわけだけど、たまにはこういうのもいいな。派手なところはないけど、丁寧にしっかり組み立てられた安心できる本だった。

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