C75(2日目)同人ゲームサークルチェックリスト

今年もオリジナルノベルゲームを中心に、お昼からふよふよと周る予定。

07th Expansion
西れ34a
うみねこのなく頃に Episode4』

talestune
西れ24b
『神事双劇カーニバル』

LAST WHITE
西る26b
『EDEN-最終戦争少女伝説- Ver3.00』

半端マニアソフト
西れ25a
『Indigo 最終体験版プラス』

機械式少女
西ら26b
『ですろり〜ごらんの有様だよ!!!DISK〜』

ぱんけーき(機械式少女に委託)
西ら26b
『悲願心中フラクタル

PBP
西り30a
『タリナイモノ』『ゴスデリ体験版』

不機嫌亭ゲーム班(PBPに委託)
西り30a
『錬電術師-HexaQuarker-』

debris
西る14b
『remote:OPERA 2』

サカナノベル(debrisに委託)
西る14b
『オマケノベル vol.8』

みょふ〜会
西ら01b
『四季の狂剣 だいたい五分の四』

LEANGATE
西ら14b
『終末症候群 terminal edition』

さんだーぼると
西ら33b
ライラック畑の雛鳥たち 動作確認版』

01-Torte
西ら07b
『ゴス道の乙女たち』

グリーンティミルク。
西る25b
『ピストルバード 告知板』

ののの通信
西れ03a
『お使いドラキー

ぶらんくのーと
西れ17b
『ひまわり』『かげろう』『ひまわりサウンドトラック』『こもれび』

2008年10大エロゲニュース

今年も「犀の目工房」さんのネタにのっかって、「2008年の10大エロゲニュース」なるものを挙げていきたい。
未完成とか解散とか退社とか、思い返してもむせ返るぐらいにマイナス方面にぶっ飛んだ一年間で、もう暗いニュースならいくらでも挙げられそうなんだけど、ここではアレとかアレの話はやめて、なるべく未来を感じるニュースを選んでいきたい。なんといいますか、『魔法少女アイ参』のニュースを見て、ちょっと本気で暗い気分になってしまったので。

・『ToHeart2 AnotherDays』『リトルバスターズ! エクスタシー』『つよきす 2学期』など、大作のファンディスク・増補改訂版が好調
2005年の『ToHeart2 XRATED』『Fate/hollow ataraxia』『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』、2006年の『Really?Really!』などに続く流れ。今後も、『SHUFFLE! Essence+』などの制作が発表されている。アリスを除いて、ナンバリングシリーズの構築に成功していないことも、この傾向に手をかしているのかも。作品を大切にして長く盛り上げてくれるという意味ではユーザーにも利益はありそう。

・Keyの『Rewrite』で、田中ロミオ竜騎士07の起用が発表される(ただし全年齢)
麻枝准という絶対のエースの引退により制作力を不安視されていたKeyが、あっと驚く隠し球で2大カリスマライターの競演を実現。どのような作品に仕上がるか純粋に楽しみ。エイプリルフールにティザー広告開始という演出にも驚かされた。

瀬戸口廉也がエロゲライター引退を表明
『CARNIVAL』『SWAN SONG』『キラ☆キラ』と、他に類を見ない重さを持った作品を発表し、強烈な存在感を示していた瀬戸口廉也が2月付けで引退を表明。エロゲを離れても何らかのかたちで創作・発表を続けてくれることを願いたい。

・エロゲのダウンロード販売が本格化
低価格のヌキゲーやロットアップした過去作品を中心に、ダウンロード販売が拡大している模様。Lilithなど、低価格ブランドの存在感も大きくなってきた。いろいろと難点はありそうだけど、エロゲは書籍などに比べて実体メディアへの依存度が低く、ダウンロード販売との相性はいいだろう。今後、販売の中核を担っていくことになるのかどうか見守っていきたい。まあ、僕はパケで買っちゃうほうなんですが。

ニトロプラスのアニメ進出
ブラスレイター』ではGONZOとともに原作にクレジットされ、虚淵玄がシリーズ構成をつとめた。これまでの「エロゲのアニメ化」とは一線を画し、積極的にアニメ制作に関わっていく姿勢を見せた。来年放映されることが発表された『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』でも、このスタイルを維持していくのだろうか? 一方、『スマガ』では、これまでのどこか虚淵の影響を感じさせる作風を離れ、新しいニトロプラスを見せてくれた。虚淵玄ファンとしては、嬉しくもあり哀しくもある。

・エロゲをテーマにしたWEBサービス「ai@space」が開始
CLANNAD』『SHUFFLE!』『DCII 〜ダ・カーポII〜』をテーマにしたネトゲっぽいなにかがスタートし、大量の萌えキャラが群れをなして歩く悪魔的な光景を実現させた。商業的な成否、ゲームとしてのおもしろさなどはさておいて、無視できないインパクトをもったサービスだ。

・人気メーカーのリリースが停滞
Keyはファンディスクのみで完全新作なし。Navelも『俺たちに翼はない〜Prelude〜』のみで、TYPE-MOONに至っては3年にわたってPCゲームのリリースが止まっている。Leafは、『君が呼ぶ、メギドの丘で』がギリギリ間に合う予定。強いコンテンツを持つ会社ほど、PCゲームの制作から遠ざかる傾向にあるように感じる。大作化によって制作期間が長くなっていることもあるのだろうが、少々心配になる流れ。

・米やいちごが大人気に
秋田県羽後町が、西又葵のイラストによる萌え農産物を販売。なぜか大人気に。「萌えで町おこし」的な戦略は、これからも増えていくのだろうか?

・エロゲ、美少女ゲームXbox360移植が続々発表
CLANNAD』『タイムリープ』『11eyes』『CHAOS;HEAD』などが、Xbox360に移植されることが発表された。やはり、マイクロソフトなだけにWindowからの移植には強いということだろうか。『アイマス』が牽引しているハードなのでユーザー層も合いそう。普及率から見ると苦しい戦いになりる気もするが、ギャルゲーハードとしてがんばってもらいたい。

・アニメ化を軸としたメディアミックス戦略が崩壊
雑感に過ぎないけど、アニメ・ゲーム産業の不振もあり、コンシューマ化とアニメ化を組み合わせたメディアミックス展開がなりたたなくなってきているように感じる。深夜の華としてTVを盛り上げてきたエロゲアニメだが、今後は大作、あるいは特にアニメ化に向いた作品に絞られていきそうだ。

以上、なんとか10個挙げてみました。最初に明るいニュースを〜みたいに書いたわりに、マイナスなネタも多くなってしまったけれど、すべて不況が悪いということでご了承いただけると幸いです。データ的な裏づけがないものも混じっていたりしますが、厳しくつっこんだり適当に信じたりしていただけると。
では、来年もいいエロゲを!

うーん…… 『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』

西尾維新不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界講談社ノベルス

きみとぼくの壊れた世界』からスタートしたシリーズの4作目。ところで、この一連の作品は、「きみとぼく」シリーズだと思っていたのだけど、どうやら「世界」シリーズというのが正式らしい。ワールドシリーズと読むと野球っぽいですね。
今回のメインキャラクターは、『不気味で素朴な囲われた世界』に登場した串中弔士。前回の事件から14年の時が流れ、あろうことか教師となった彼は、再び連続殺人事件と遭遇する。語り手を勤めるのは、なんと「病院坂迷路」。
このシリーズは数多い西尾維新作品の中でもとくに好きな部類で、1巻にあたる『きみとぼくの壊れた世界』は、僕にとってベストオブベスト西尾維新といったところ。それだけにかなり期待していたのだけど、この4作目はあまりに地味かつあっさりしていて、おもしろいともおもしろくないとも言いがたい……というのは逃げかな、うん、つまり、そういう感じ。やはり、串中弔士と病院坂迷路では、カリスマ性、会話のノリのよさ、などなど様々な部分で櫃内様刻と病院坂黒猫のコンビに及ばない。
実質的に、串中弔士と病院坂迷路の2人しか出てこないお話で、両者とも淡々としたキャラなので盛り上がらないことはなはだしい。これはどう見てもわざとだし、じゃっかんトリックとも関係するところでもあるので仕方ないのかもしれないけど、生徒がひとりも出てこないというのは、やはりやりすぎだろう。
ええと、5作目は、病院坂黒猫の中学時代のお話になるようだ。

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委員長のターン!『シフトIII』

うえお久光『シフトIII』電撃文庫

今回は委員長こと高嶋空のお話。
時系列的には2巻から直接つながっているのだけど、委員長視点で進むのでちょっと外伝的な印象だった。構成に工夫が凝らされていて、それが絶妙に決まっているので、なるべくネタバレしないように自粛モード。
なんじゃこりゃと思いながら読んでいたら、中盤でひっくり返った。いやー、騙された。
先に外伝的と書いたように、ラケル/赤松の話としてみると、まるで進展してないのだけど、なんというか、もう「サザエさん」的なものとして受け入れる覚悟が出来た。トリッキーな構成の小説が好きだからとかメガネが好きだからとか、極私的な要因もあるのだけど、かなりお気に入りの一冊になった。こんなに面白いものが出てくるなら、もうストーリーが進まなくてもいい……。ただ、セラの存在感が薄くなってしまったのは残念です!
それと、3巻にしてはじめて気が付いたのだけど、このシリーズは表紙と裏表紙が一続きのイラストになってるのね。ずっとカバーをかけていたので分からなかった。電撃文庫の裏表紙は、基本的にワンポイントの小さなイラストなので、全面に絵が描いてあるのは新鮮。

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『あちら』の世界が現実を侵食する『シフトII』

うえお久光『シフトII』電撃文庫

『あちら』と『こちら』はどんどんと接近していき、学校にまでも争いが侵食してくる。現実と異世界を行き来するRPG風ファンタジー、第二巻。

セラとの恋愛未満な関係に、ミュージィとの過去、さらに学校での揉め事や妙にエロい委員長と盛りだくさんな内容……なんだけど、サブエピソードが充実してるぶんストーリーが進展しないなあ。
前巻で旅に出ることになって、終盤にさしかかってもまだ町周辺の森の中。このまま終わるのか? と思ったら途中経過をすっ飛ばして対決シーンが始まり、新キャラを顔見世して次巻へ。
うーん、シフト世界の謎もおぼろげながら見えて来たのだけど、ストーリーが核心に到達するまで何巻かかるんだろうと考えるともどかしくなる。なんというか「世界はクリアを待っている」と言われても、全くクリアできる気がしない。
読んでる間はめちゃくちゃおもしろいんだけど、どうにもすっきりしない構成だった。今はすぐ3巻を読み始めることができるからいいんだけど、リアルタイムでハードカバーを読んでたら辛かっただろうなあ。でも、この枝葉のこだわりっぷりと描写の密度、動かないストーリーがうえお久光なんよな……って、これ昨日も似たようなこと書いた気がする。

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MMO時代のダークファンタジー『シフトI』

うえお久光『シフトI』電撃文庫

眠りにつくと同時に、もうひとつの世界に〈シフト〉する。そこは、まるでゲームのような剣と魔法の世界。戦士たちは「スキル」を封じ込めたカードで戦い、魔法使いは発放紋から火や氷を撃ちだす。いまだ国家も法もない世界で繰り広げられるちょっと殺伐としたファンタジー

ハードカバー単行本からの文庫化という電撃では珍しい経路をたどって発売された作品。
MMORPGだとかネットゲーム廃人だとか、そんな単語が思い浮かんでくる小説だった。しょせんゲームだからってことで善悪のタガが外れてしまうやつがいたり、現実世界での顔や名前を知られるとやっかいだったりと、いやーな部分がやたらとリアルで、こういうのが現代のダークファンタジーなのかもしれない。怖さというかダークさの質が、こう、怪物が襲い掛かってくるとかそういう直接的なものではなくて、ネットストーカーやらいじめやらといったものを思い起こさせる。作中には、ネットやMMOなどの用語は出てこないけれど。
また、ゲーム系ファンタジーとしてもかなり熱い。派手なスキルや魔法に、騙しあい的なかけひきを織り交ぜたバトルシーンは文句なくかっこいいし、人々から忌み嫌われる「怪物系」のリザードマンである主人公もいい味をだしてる。
あと、うえお久光節といっていいのだろうか? 個々のエピソードがこれでもかと濃密かつページ数的にも長く描写されていて、『悪魔のミカタ』を思い出した。良くも悪くも、語って語って語りまくるのがこの作家の個性なんだろうなあ。

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普通の人たちの普通じゃない戦い『迷宮街クロニクル1』

林亮介迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?』GA文庫

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

ある日、京都府に怪物どもが跳梁跋扈する地下迷宮が出現した。モンスターたちの死骸からは貴重な成分が検出され、迷宮に潜って狩りをする「探索者」たちが組織される。日本で一番死に近い場所、京都府迷宮街でサバイバルする若者たちの生と死と青春。

早く続きが読みたい! 面白いラノベは数あれど、こんなに続きが気になってしかたない作品はひさしぶり。『和風Wizardry純情派』というタイトルでWEBに発表されていたものに加筆したものということで、やはりWizardryシリーズの影響が色濃い。
といっても、ゲームっぽいというのとはちょっと違う。
Wizardryというやつは、真っ黒い画面に白い線を引いただけの迷宮を、文字と数字のみでグラフィック一切なしのキャラクターで探検するというハードコアなゲームだ。さらに、どんなにレベルが高いキャラでもクリティカルヒットを食らうと一撃で死んでしまい、生き返りの魔法に失敗するとキャラクターが消えて永久に失われてしまう。
この『迷宮クロニクル』は、そんなWiz独特の殺伐とした空気を本のかたちに閉じ込め、読者に追体験させる。主人公にあたる真壁は、恋人との関係のもつれかはたまた一時の気の迷いか、大学を辞めこの死地を訪れてしまう。他の登場人物も、借金に追われた元バンドマンだとか、元会社員だとか日本のどこにでもいそうなやつらばっかりなのも、逆に緊張感を高めてくれる。最初はほんとに普通っぽかった人たちが異常な舞台に立たされ、だんだんと優秀な戦士になっていくというのが、おもしろさのポイントだろうか。
作中にたびたび挿入される真壁のブログがまた、文章は朴訥として平和な感じなんだけど、内容は怪物を殺しただの同期のグループが全滅しただのとハードボイルドでギャップがすごい。
同じくWizをテーマとした『隣り合わせの灰と青春』とも近いものがあるので、そちらが好きだった人はぜひ。WEB小説版は完結していたようだし、早急に続きを出して欲しい。待ちきれないですよ!

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