リネア様の変態性にしびれる『タザリア王国物語4』

スズキヒサシ『タザリア王国物語4 獣面の暗殺者』電撃文庫
3巻ラストの「驚きの展開! 次巻を待て!!」みたいな露骨なヒキでどうにも熱意を削がれてしまい、後回しになっていた。
次の展開へ向けてのつなぎの巻というところなのだろうか? 戦記モノに戻るのか、それとも冒険ファンタジー色を強めていくのかよくわからなくなってきた。あと、新キャラの戦える商人なブザンソンも位置づけというか、どういう人物として描かれているのかあいまいな印象。「金の亡者」なのか、「金の亡者の仮面を被ったいい人」なのか、「金の亡者の仮面を被ったいい人を装った金の亡者」なのか、はたまた「ただのいい人」なのか。実際どういう人物なのかはともかく、どういう風に見せたいのかはハッキリしてほしい。これでは、突然裏切っても、逆にいきなり忠臣になっても驚けない。
戦記モノを期待していたせいか、どこをどう楽しませたいのか把握できないまま読み終わってしまった。
ただ、リネア様は相変わらずステキ。とくに特注の骨製アクセサリーにはしびれた。ジグには捨てるところがないとばかりにリサイクル精神を発揮する姿は、さながらカリスマシェフ。
殺意の波動に目覚めた幼馴染ことラシーヌも、リネア様を見習ってもっとはっちゃけるといいな。ジグリットに出会えばアッサリ味方にもどりそうでもあるけど。

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