元長柾木『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』角川書店

荻浦嬢瑠璃は敗北しない

荻浦嬢瑠璃は敗北しない

飛鳥井全死は間違えない』で、飛鳥井全死の奴隷となった荻浦嬢瑠璃は、主人の命令により中学に復帰することになる。そして、嬢瑠璃は女子中学生の群れの中で、全死に捧げる「勝利者の王国」の構築を模索し始める。


傑作!
前作『飛鳥井全死は間違えない』を大幅に越えるおもしろさ。根本的な構造は前作と同様ながら、荻浦嬢瑠璃のビルトゥングス・ロマンというかたちにまとめたことで、読みやすく理解しやすくなっている。舞台を学校に設定したのも上手い。『飛鳥井全死は間違えない』は、本作のキャラクター紹介にすぎなかったと言ってもいいような気がする。
突然抱きついてくる後輩の女の子がいたり、気弱なおさななじみにつきまとわれたり、巨乳になつかれたりする、美少女ゲーム的な甘ったるい世界観のなかに生きる荻浦嬢瑠璃と、権力ゲームのなかで無視やいじめが起こる鵜堂恵智架の世界。このふたつの世界観の相互侵食を中心として語ることで、物語の重層化、複線化というテーマがよりダイナミックに描かれている。物語がキャラクターの「ものの見方」にあわせて変質していくさまは、なかなかに幻惑的で楽しませてくれる。
そして、なにより嬢瑠璃のキャラクターがいい。奴隷であり、支配されることを求めながら「勝利者の王国」を建国しようとする矛盾。一見知性派なのに、なにかあると突っ込んで殴り合いに持ち込む単純さ、粗暴さもどこか魅力的。

『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』感想リンクreclips

元長柾木『飛鳥井全死は間違えない』角川書店

飛鳥井全死は間違えない

飛鳥井全死は間違えない

習慣に従って淡々と人を殺し続けるシリアルキラーの目から、支離滅裂な論理を振りかざすトリックスター・飛鳥井全死を描くミステリのようなライトノベルのような不思議な作品。少女たちにつきまとい、自分勝手な行動で事件を起こしていく全死が「間違えない」理由とは?


西尾維新モノとして読んでしまうと、あまりおもしろくない。
奇人変人どもが特殊能力を武器に争ったり争わなかったりする、というスタイルのためどうしても比べられやすいが、それではただ読みにくいだけの作品に見えてしまうだろう。文章のケレン味も、キャラクターたちの怪しさも、能力・人名などのネーミングセンスでも、勝ち目はない。
電気娘(テスラガール)はともかくとして(いや、やっぱよくない。この異名なら電磁波で鉄の塊を引き裂いたりしないと嘘でしょ?)、メタテキストだの文脈だのといった言葉遣いがどうしようもなく使い古されててダサい。メタフィクションメタフィクションって名づけてもベタなだけ。
また、西尾維新佐藤友哉ファウスト作家の多くに感じる現実に対するひねくれた感情も表立っては感じない。
……と、悪いことばかり並べ立ててしまったけれど、それでも読む価値があると思う。それは、ライトノベル的な楽しさや、ミステリ的なギミックは、この作品においてはスパイスに過ぎないから。
キャラクターの言動・思想のぶつかり合い、そして、より上位のレイヤーで物語を語る作者の考え方を主軸に置いて見ていくと、思考実験、あるいは作者の思考実験が読者の脳内で再現されるような一風変わった感覚が得られる。
キャラクターそれぞれが、てんでバラバラなことを考え、その思想によって世界を解釈する。そうして物語世界が複数の解釈を受けることで、小説全体が空中分解しそうになる。ひとつの曲に、複数の主旋律が現れて、不協和音を奏でるように。
その世界の崩壊を押しとどめる役目を振られたのが、飛鳥井全死だ。全死が事件を解決するときに、「交響楽曲的作戦(オーケストラル・マヌーヴァ)」という決め台詞を使うのは、こういった理由がある……んじゃないかとおもう。

『飛鳥井全死は間違えない』感想リンクreclips

URLまわりのなにかがおかしくなっているようです

一日に多数の記事を書きすぎたせいか、3月17日付けのエントリがどうも妙なことになっているようです。

現在把握している症状としては、

■積みゲーならぬ積み感想問題

はてなスターを付けると、はてなスターのユーザーページに

■何番煎じかわからないけれど「2ちゃんねるでやっていないと恥ずかしいエロゲ」リストにコメントを付けてみた

の見出しが表示されるようになっているようです。
また、記事下部のリンク元表示も正常に動作していないように思われます。

ラノベ関係の記事にスターを付けたら、なぜかエロゲ関係の記事が表示されてしまうわけです。はてなアイデアに報告しておきましたが、現時点では不具合なのか、それとも僕のミスなのか、はたまたはてなの仕様なのか分からない状況です。

解決法は判明しておりませんが、ご報告まで。

ティエリアがかわいらしすぎる件

機動戦士ガンダム00』、見てますか? 僕は夢中です。
ガンダム00』の面白さは、キャラクターにあります。ストーリーはいろんな意味でスレスレなのですが、キャラクターを見ているだけで十分以上に楽しめます。今日のお題は、そんなガンダムキャラの一人です。
おかっぱ頭にメガネがまぶしいガンダムマイスターティエリア・アーデ。年齢・国籍・経歴などは一切不明。
「こんなにかわいい子が女の子のはずがない」「性別:ティエリア」などと言われるように(言われてます!)、美少女そのものの外見と、わがままでツンツンした性格は、多くの人を虜にしている。自分の失敗を、他人のせいにして逆切れするお茶目な面も魅力的。好きなものはヴェーダ(マザーコンピュータ)というギークなところもあります。決め台詞は「万死に値する!」。言われてみたいですね!

さて、ここからが本題。昨日放映された第20話「変革の刃」で、またひとつティエのかわいらしいところに気が付いたのでご説明いたします。

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ゆるふわ愛されソレスタルビーイング

「ゆるふわ愛されなんとか」テンプレートβ版

「平和的な武力介入で、男を誘惑する10の方法を大特集」

  1. 軌道エレベーターで、化石燃料に乗せた手をそのままゆっくりと宇宙太陽光発電システムのほうに持っていっちゃえ!
  2. ピンクのカーディガンを口にくわえてさりげなく頭から落としちゃえ!!男の子が「万死に値する!」って言ったら、強引にレベル7の情報にアクセスしちゃおう!!
  3. 男の子と二人っきりになったら、「○○くんって知りすぎたよね」って言って教授をかぷっと食べてしまおう。「許さんぞ!ガンダム!!」っとなって、男の子は自然と修羅をも凌駕する気分になっちゃう。
  4. 男の子の脳量子波に干渉しすぎは注意!あそこが、可変タイプになってしまうから。程よい量だったら問題なし。むしろ、前髪が右分けになって超人育成機関を潰されてしまうかも(笑)
  5. 彼氏が中々積極的になってくれない貴方は、同士討ちにチャレンジしてみよう。部屋の中で二人っきりのときに、自爆テロで家族の仇になれば、彼氏はその瞬間に獣に(照)
  6. 告白は少しだけ技術顧問っぽく機密漏洩してみよう!例えば、メールの最後に「今日は○○くんのためにポニーテールをつけてノってます」とか。これで男の子は貴方の鹵獲作戦にドキドキ!
  7. 戦場で二人っきりになったらさり気なく男の子の軌道エレベーターにタッチしよう。そのときに、「ガンダムマイスターだからごめん」って照れた顔すれば、バッチグー!
  8. 雨の日は、わざとピンチになってヴァーチェ・アーマーをパージしちゃえ!そして、ナッシング増加装甲でナドレが透けちゃえば、勝ったも同然!男の子は一日中トライアルシステムにドキドキしまくり!
  9. ここまで、さり気なくやってもその気にならない男には、真っ正面からぶつかるかしかない!グラハムスペシャルで振り向きざまに「君の存在に心奪われた者だ!」 これで男は撃沈!
  10. 1〜9をやってもその気にならない男は、ニュータイプ、コーディネーター、流派東方不敗の可能性があります。注意しましょう。可能ならば富野由悠季黒歴史にしてもらいましょう。

はてなアンテナ&はてなブックマーク 試験導入

サイト論を読み漁っていたら、RSSを使うと超効率的!とか、ネガコメが熱い!とか、それPlaggerでできるよ!とか(最後のは多分うそ)いろいろと楽しそうなことが書いてあって、うらやましくなったので、とりあえずアンテナ&はてブを導入してみることに。
アンテナ:http://a.hatena.ne.jp/Suppe/
はてブhttp://b.hatena.ne.jp/Suppe/
ついでに、ラノベのエントリに商品紹介の写真を加えてみました。
さらについでに、TwitterのURLも再掲しておきます。
Twitterhttp://twitter.com/Suppe

僕がニュースサイトを辞めた理由

なんだか立派なニュースサイトをやっていたことがあるかのようなタイトルですが、そういうわけではありません。「ニュースサイトをやろうと思って挫折した理由」ぐらいが適切かもしれません。
このブログを始めて約3ヶ月が経ちました。その間いろいろあった…というほどのことはなかったな。それでも、サイト運営についていろいろと考えさせられることもありました。今日はそのうちひとつ――「個人ニュースサイトを運営すること」について書いてみたいと思います。

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