LAST WHITE『EDEN−最終戦争少女伝説−』(Ver1.00)

人生終わった。なぜなら核爆弾が振ってくるから。死を目前にして、主人公はこれまでの経緯を回想し始める。…謎の島、虐殺される米軍、レイプ未遂、陰惨なイジメ。そして…。


同人サークルLAST WHITEが制作している伝奇…いや電波ノベル。こちらはWEB体験版Ver1.00の感想になります。このVer1.00は「序章」ということのあので、全体ではかなりの長さになるでしょう。なにせ、序章だけで2時間はかかりましたから。
これまでの範囲ではそういうシーンはありませんでしたが、18禁エロゲーと銘打たれているので、そのうちそういう要素も入ってくるのでしょう。
あと、なんかこのゲームは文章、絵、音楽からスクリプトまで一人で作っているみたい。長編作品ではなかなか珍しい。

以下、たいしたネタバレは無いと思いますが一応折りたたみ。


これはおもしろい! やりはじめると途中では終われない魅力があります。
あらすじからも分かるかと思いますが、ウルトラスーパーハードに変なお話です。衝撃的なシーンの連続なんですけど、とにかく見せ方が上手くて飽きさせない。無茶苦茶やってるようで、読みやすく、かつ理解しやすくまとまってるのもすごい。
すごいすごい連発してますが、ほんとにすごいんだから仕方がない。まず、冒頭の核爆弾の出し方がすごい。文章も面白いのだけど、CGの演出がにくい。まず、シルエットで出しておいて、なんじゃこりゃ?と思ったところでモロ核爆弾なはっきりした絵に切り替わる。
核ショックの後の展開も見事。いったん日常シーンにもどし、プレイヤーが落ち着いたところでさらに衝撃的なシーンにつなげていくジェットコースターぶりにはしびれます。カットバックが多用され、回想シーンメインで進んでいくのだけど、これがまた効果的。おそらく、時系列順に読むよりもはるかに読みやすく面白くなっているんじゃないかな。
個人製作なのに、テキスト、絵、演出、ストーリーの進め方と全要素が高いレベルでまとまっている点も恐ろしい。
戦闘シーンやエフェクトもこだわりが見え、プレイヤーを楽しませようとする気持ちが伝わってくきます。ロゴが曲線を描いて飛んでいくアイキャッチ、背景を利用した特大フォントや手書き文字などもいい味出してる。虐殺系のシーンでは、血しぶきがフォントにまでかかっていたりと、細かいところまで作りこまれてます。
とくに、これは細かいな!と思ったのが、「優音」の立ち絵。表情の変化に合わせて腰につけてるぬいぐるみの顔も変化してるんだけど、普段は半透明のテキストウィンドウで隠されてるので、番外編をやるまで気が付きませんでした。
衝撃的な内容もさることながら、それをさらに魅力的にする見せ方とプレイヤーをひきつけるために凝らされた数々の工夫に圧巻。サービス精神というのかな? 文章でも絵でもなく、「ゲーム」でプレイヤーを楽しませようという意思みたいなものを強く感じました。